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〈22〉硯美艸堂雑記(けんびそうどうざっき) 21

 第39巻東京精華眞寶は、水滴、筆架、書鎮、石印、墨、硯等々の文房至寶の各種を集めて編集致しました。
 限り無く富のあふれる至寶の中でも、取り分け色彩そのものに美を以って存在する自然石の美しさをご鑑賞頂ければ幸いです。
 圖版「華山筆架」と「石印」は、田黄と併称される紅色の鮮やかな鶏血石です。
 鶏血石は浙江省の昌化県の石で、別名昌化石とも呼ばれていますが、ここにご紹介する鶏血石は内モンゴル産です。
 モンゴル石の最盛期には実に見事な鶏血石が登場したこともあり、鶏血石の産出地については今後の課題となってまいりました。
 硯に水を注ぐことに使われる水滴は、中國そして日本國内でも昔から製作されてきましたが、半島の李朝の佳品には一段と趣の深さがあります。
 圖版「李朝青花磁・家形水滴」には耐え難いほどの懐かしさが身にしみ、又、悠悠とした平和に満ちた不思議な力があり、半島の民族文化の素晴しさを伝えています。
 凡そ半世紀に及んだ上海市工芸品公司との極めて友好的な交流も、顧みれば唯一炊の夢の間に過ぎてしまいました。
 圖版「端溪水巌・海天旭日硯」(明代)は、上海工芸品公司蔵硯中の最後の一品です。
 重厚荘厳な形は卓越した明代の硯工の作。老坑水巌坑が開採されたのが明代末の万暦であることから、老坑開採時の水巌硯と推測されます。
 魚脳凍の現われた白色の部分は、花も及ばぬ清香を帯び、水巌硯の美しさを示しています。
 海天旭日は海に天に旭日。日は紅に燃えて昇る。生命の原点太陽の門出。
 曙色の閃光が輝き、泰然と莞爾笑を含んで此方を向いているかのような天下無雙の水巌硯です。
 さて、本年も余すところ数日。日は飛ぶ月は奔る、少年老い易く学成り難しと口吟むであっと云う間の一年でした。齢を重ねる毎に光陰の過ぎる早さが一層感じられるようです。
 今年も多くのご愛硯家諸先生方にはご支援を賜りました。心より御礼を申し上げます。明くる平成二十六年が良き年でありますことをお祈り致しております。

 
華山筆架 石印
 
李朝青花磁・家形水滴 端溪水巌・海天旭日硯
 
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