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〈10〉硯美艸堂雑記(けんびそうどうざっき) 9

 以前にもお伝え致しましたが、端溪石を産出する麻子坑、坑仔巌等の硯坑は中國國土省の指示により、爆破されて採掘は禁止されてしまいました。
 水巌坑は、斧柯山から流れ出て西江に注がれる端溪の河口に堰を造り、水の流れを止めて端溪の一帯を湖と化し、その為直ぐ近くに在る水巌坑の地下水が上昇して、旧老坑も新老坑も水が充満し、半永久的に採掘は出来そうもありません。
 旧水巌坑(旧老坑)の洞口は土砂で埋まり、更に池となり現在では水巌坑の遺跡、観光名所として紹介されています。
 かつては旧水巌坑を始め坑仔巌等々は盛んに採掘作業が行なわれて、硯石は無尽蔵也とご紹介致しましたが、状況は全く一変しました。
 現地の硯工場、作硯家の手元には可成の量の原石が確保されていたと思われましたが、供給が絶たれて久しく、在庫は底を尽いてしまったそうです。
 端溪石を盗掘すると懲役刑を科せられるそうです。夜陰に紛れて潜水服を身に付け、水巌坑に潜った男が帰らなかったとか、ダイナマイトを使用して水巌原石を持ち出したと云う流言百出の現状です。
 この度は残り僅かとなった現代の端溪硯をご紹介致します。圖版@の麻子坑硯は斧柯山八合目の端溪硯です。華やかな色彩と鮮やかな翡翠眼に特徴があります。圖版Aの端溪坑仔巌は、上品な深紫色に小粒ですが洞然とした活眼にも魅力があります。
 圖版B、水巌硯の墨堂は澄み切った天の青さに似る天青色です。詳しく観察すると微塵青花を含み、水巌美の源泉を見る思いがします。手前の小点は蟻脚青花です。各種の端溪硯にはそれぞれの見所があって、甲乙を付け難い特徴を備えています。
 圖版C、端溪水巌・秋天白雲硯は、絶え間なく変転浮動する白雲(魚脳凍)に秋の気配が感じられます。
 端溪原石が欠乏する製産地では、これに代わる硯石が使用されていますが、改めてご説明させて頂きます。

 
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圖@ 圖A
 
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圖B 圖C
 
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