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〈9〉硯美艸堂雑記(けんびそうどうざっき) 8

 先月岩手大学に赴き一回目の中國硯についての講義を致しました。一日八時間、二日間で十六時間に及ぶ極めて過密な時間割です。
 一日八時間の通しでは学生の身が持たないでしょうと、愛硯家の大学教授が学生を気遣っていました。ところが、二日間の十六時間はあっと云う間でした。
 学生一人ひとりが自身と硯との関係を述べ、又、月精硯について何故仙女の常娥が蟾蜍となって月に逃れたのかと、趣のある質問等があり、学生は終始洞然とした眼を輝かせていました。
 講義を終えて外に出ると、夕栄の色が薄く残っていました。柳青める北上川の堤の先に巍然として岩手山が聳え立ち、左方に奥羽山系が國境に連なる景色は正に荘厳。空気は澄みゆっくりと時が流れていました。
 さてこの度は、三種類の緑石硯をご案内させて頂きます。圖版@の緑端・蘭亭硯と圖版Aの蓬莱硯は、廣東の緑端硯です。旧蘭亭硯はペーリン(北嶺)の緑端が使われていましたが、近年枯渇し、現在は沙浦(さぷ)の緑端が使われています。
 大分以前のことですが、斧柯山の対岸に在る鼎湖山に登った折、山頂近くに緑色の岩石があり、ここでも緑端が採取されたと思われます。緑端の産出地は数箇所あり石質も微妙に異なります。
 圖版Bのとう河緑石掌對硯は、昭和五十年代にとう河で採取した原石を蘭州市で製作した硯で、緑端硯とは石質と形までもが異なります。
 裏表紙の小太史硯は、湖南省産出の劉陽石です。新緑の最も軟らかな緑の美しい色彩を示しています。

 
09_1 09_2
圖@ 圖A
09_3
圖B
 
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