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〈6〉硯美艸堂雑記(けんびそうどうざっき) 5

 端溪水巌坑(老坑)は、小さな溪谷端溪が大河西江に注がれる河口の直ぐ近くにあります。写真(一)、中央は西江、水田脇の細い水の流れが端溪。手前の煉瓦造の建物の後方が水巌坑の洞口(入口)です。
 写真(二)水巌坑(老坑)の洞口。岩の裂け目かと思われる洞窟です。高さが九〇cmほどで、人一人が這うようにして入れる大きさです。
 昔は西江の水位が下がった乾期に、人力で坑内の地下水を排出し、松明を手にして坑内に入ったそうです。今は裸電球が所所に点っていますが、殆ど暗闇です。強力な懐中電燈を前後左右の壁面に当て奥へと進みます。
 洞口から這うようにして百四十メートル、明かりが見えてきました。写真(三)、水巌の採掘場。数名の硯工が旧時代と変わらず、ツチとノミを使って採石作業が行われています。
 ところで、前号でご案内致しました「端溪硯史」の老坑内圖ですが、洞口から最深部まで眼を皿にして観察した結果、蟻の巣状に描かれた、東洞、正洞、大西洞等々は全く見当りません。
 勿論洞口からの坑道は直線ではありませんが概ね一本道です。老坑内圖と現場とは様子が全く異なります。そこで、現場で働く硯工の方々に、大西洞や水帰洞は何処にあるのかをお尋ねしました。
 硯工は、「水巌(老坑)の原石は、洞口から続く硯脈より採取され、大西洞、水帰洞等の区別はここには存在しません。」と答が返ってきました。
 坑内を隈なくさがし廻り、そして、久遠の眞理とも云うべき現場の人達の説明に因って、大西洞説の疑問が一瞬にして氷解したのです。大西洞、水帰洞等は文章上の表現で現実には存在しないことが判明したのです。
 従って、鑑定家が決めつけた大西洞硯、水帰洞硯等は捏造であり、知的不誠実。では一体水巌(老坑)とは如何なる質の物なのか、坑内各所の原石凡そ1トンほどを採取して精査することにしました。

 
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